「まるで人間狩りだった」…逃げ惑う野菜売りを追跡、自爆ドローンが目前で爆発し負傷
ロシア軍のドローン、野菜売りに突進し爆発
低コスト化・小型化で無差別攻撃が頻発
ウクライナ軍の空爆ではロシアの子どもも死亡
戦争犯罪を裁く国際的な規制整備が急務
北朝鮮のミサイル部隊、ロシア西部への配置開始

ウクライナ戦争で、ドローンを使って民間人を無差別に攻撃する事件が相次いでいる。
これまで主に軍事施設への攻撃に使われていたドローン技術が、低コスト化と小型化を経て、罪のない市民を狙う「遠隔殺戮」の道具へと変質したとの指摘が出ている。
4日(現地時間)、英BBCは、ロシア軍が運用する一人称視点(FPV)ドローンが、ウクライナ・ヘルソン市内の屋外市場で野菜売りを執拗に追跡した末、自爆する映像が拡散し、恐怖を広げていると報じた。
映像には、ドローンに追われていた中年男性が車両の後ろへ身を隠すと、ドローンが大きな音を立てながら突進し、爆発する様子が捉えられていた。
ヘルソン州知事によると、ユーリーさんという名前の男性は、ドローンのカメラに向かってニンニクの入った容器まで掲げ、武器を持っていないことを示したものの、ドローンは追跡を続け、攻撃したという。
「人間狩り」ともいえる攻撃により、ユーリーさんは破片による負傷や脳振とうなどのけがを負ったと伝えられている。
BBCは、このように民間人を獲物のように追い回して殺害し、その映像を娯楽のように消費する戦術を「ヒューマン・サファリ」と表現した。
ただし、映像がどのような経路で撮影・入手され、誰が公開したのかについては確認できていないと付け加えた。
ウクライナ側は、今回の映像がロシアによる民間人攻撃を示す証拠だと主張している。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はSNS「X(旧ツイッター)」で、自国民がロシアのドローン攻撃にさらされていると訴え、「ロシア兵が人を殺し、苦しめることを楽しんでいるという事実を、世界は目にしなければならない」と述べた。
ロイター通信は同日、欧州連合(EU)欧州委員会が、凍結されたロシア中央銀行資産から生じた利息14億ユーロ(約2,550億2,300万円)をウクライナ支援に充てる方針を決めたと報じた。
ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員長は声明で、「ロシアは、自らが犯した残虐行為の代償を支払わなければならない」と強調した。
民間人を狙ったドローン攻撃は、ロシアとウクライナの国境地域の双方で確認されている。
ロシア国防省は3日、ウクライナ軍が黒海沿岸の保養地ゲレンジクの海岸をドローンで攻撃し、子ども4人を含む7人が死亡したと主張した。
ドローンが「人間狩り」に利用される光景は、戦争への恐怖を最大限に高める高度な心理戦だとの分析も出ている。
一部では、技術の急速な発展により安価なドローンが殺傷兵器として使われるようになったにもかかわらず、現在の国際人道法では十分に規制できていないとの懸念も提起されている。
国連人権理事会の国際調査委員会を率いるエリック・モーゼ委員長は、「デジタル技術の進化が既存の国際規範を追い越している。新たな形態の戦争犯罪を裁くため、国際社会による規制の整備が急務だ」と訴えた。
一方、AP通信は、5日午後、ウクライナの首都キーウなどでロシア軍のミサイル・ドローン攻撃があり、民間人少なくとも17人が死亡し、40人以上が負傷したと報じた。
ウクライナ国防省情報総局は同日、北朝鮮のミサイル部隊がロシア西部ボロネジ州への配置を開始したと明らかにした。
同部隊には、北朝鮮製の弾道ミサイル120発と発射台6基が配備される可能性があるとしている。

