米国務省、41カ国で共同声明 太平洋のミサイル発射「事前通知を」中国のSLBM念頭か
米国務省、日米韓など41か国の共同声明を発表
太平洋で事前通知なしの長距離ミサイル発射試験を非難
先月の中国によるSLBM発射を念頭に置いたものか
中国は「試験に先立ち関係国に通知した」と主張

日本と米国、韓国を含む41か国の政府は、事前通告なく一方的に実施する長距離ミサイルの発射試験を非難する共同声明を発表した。声明では直接言及されていないものの、先月中国が実施した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射を念頭に置いたものとみられている。
11日(現地時間)、米国務省がウェブサイトで公開した声明によると、日本、米国、韓国、ドイツ、英国、フランスなど41か国は、各国が弾道ミサイルや宇宙発射機などを発射する際、関係国に事前に通知すべきだと主張した。
声明は、「すべての関係国が、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、宇宙発射機(SLV)の発射について、影響を受ける国々に事前通知する体制に参加するよう求める」としている。
声明に参加した41か国は特定の国名を挙げなかったものの、「最近、太平洋地域で行われたミサイル発射試験については、ICBM、SLBM、SLVの発射について事前に通知し、衝突を回避するために多くの国が採用している標準的な慣行に沿っていない」と指摘した。
また、現在145か国が参加する「弾道ミサイルの拡散に対するハーグ行動規範(HCOC)」にも言及した。HCOCは、ICBM、SLBM、SLVの発射について、影響を受ける国々に事前通知することを定めている。
41か国は声明で、「十分な事前通知や詳細な情報を伴わず、核兵器を搭載可能な弾道ミサイルの発射試験を実施することは危険であり、こうした試験が行われる地域に近接する国々の平和と安全を脅かす」と批判した。
さらに、事前通知のないミサイル発射は「誤った判断のリスクを高め、世界の安定と安全を損ない、長距離ミサイル能力を保有することに伴う責任と相いれない」と指摘した。
これに関連して、41か国は「ICBM、SLBM、SLVを発射するすべての国、特に核兵器保有国に対し、発射の少なくとも24時間前に通知するよう求める」とし、通知には発射体の種類、予定時刻、発射場所、発射予定方向などを盛り込むべきだと強調した。
また、「通知体制の実施を強化・拡大するため、すべての国と協力するとともに、責任ある行動を取らない国に責任を負わせることに取り組む」と表明した。
今回の声明は、中国によるSLBMの発射を念頭に置いたものとみられている。
中国海軍の王学猛報道官は先月6日、SNSを通じて、同日12時1分、中国海軍の戦略原子力潜水艦1隻が太平洋の公海に向け、訓練用の模擬弾頭を搭載したSLBM1発を発射する試験を実施し、成功したと明らかにした。また、ミサイルは予定された海域に正確に着弾したと主張した。
王報道官は、「今回のミサイル発射試験は中国軍の年間訓練計画に基づく定例的なもので、関係国には事前に通知した」と説明し、「国際法と国際的な慣行に合致しており、特定の国や目標を狙ったものではない」と強調した。中国側は、今回発射したSLBMの名称や仕様、具体的な着弾地点については明らかにしなかった。
一方、中国メディアは、今回発射されたミサイルが「巨浪(JL)3」だったと報じた。
中国軍は1980年、太平洋に向けてICBM「東風(DF)5」を発射した。その約44年後の2024年9月にも、太平洋に向けてICBMを発射した。先月の発射は、2024年9月以来、約1年10か月ぶりに太平洋に向けて実施された戦略ミサイルの発射試験となった。

