イラン軍「ミサイル・ドローン戦力の75%以上が健在」…トランプ氏の主張と大きな隔たり
イラン軍「ミサイル・ドローン戦力の4分の3以上が健在」
「戦時中も生産は停止せず」…長期戦の遂行能力を強調

米国のドナルド・トランプ大統領が、イランのミサイル戦力を事実上壊滅させたと主張する中、イラン軍はこれとは正反対の評価を示した。ミサイルとドローン(無人機)戦力の75%以上が依然として健在で、戦争中も生産を停止していないという。
イラン軍のアリレザ・シェイク行政担当副司令官は12日(現地時間)、イランメディアのデファ・プレスとのインタビューで「ミサイルとドローン戦力の75%以上が依然として健在で、直ちに運用できる態勢にある」と主張した。

シェイク司令官は、外国の情報機関もイランがミサイル・ドローン戦力の4分の3以上を維持していると評価していると述べた。ただ、それを裏付ける具体的な機関名や資料は示さなかった。また、米国とイスラエルによる大規模な空爆にもかかわらず、イランの防衛装備品の生産体制は稼働を続けたと強調した。シェイク准将は、ミサイルやドローンを含む防衛装備品の再生産は戦争中も中断しなかったと説明した。
これは、トランプ大統領が示した主張とは大きく異なる。トランプ大統領は6月、米NBCニュースとのインタビューで、イランのミサイルとドローンの生産施設の大半を破壊したと述べた。その上で、イランが現在保有するミサイルは開戦前の「21~22%程度しか残っていない」と主張した。
双方の主張を単純に比較すると、残存戦力の評価には50%ポイント以上の開きがある。ただ戦争後、イランが実際に保有しているミサイルやドローンの数を外部から正確に確認することは難しい。イラン軍も今回示した「75%」という数字の算出根拠を明らかにしていない。
イラン側は、単に兵器の保有数だけで軍事力を判断すべきではないとの見解も示した。シェイク司令官は、戦場を管理する能力や防衛システムの組み合わせ、長期にわたる圧力に耐える能力なども含めて、戦争の結果を判断する必要があると主張した。
また、米国がイランのインフラに損害を与え、一部の作戦で成果を上げたとしても、それを直ちに戦略的勝利とみなすことはできないと強調した。相手に自らの政治的意思を押し付けることができなければ、真の勝利とはいえないとの主張だ。

特にイラン軍は、長期の消耗戦にも耐えられると強調した。シェイク司令官は、技術や先端兵器だけで戦争の勝敗が決まるわけではないとし、長期間にわたって抵抗を続ければ相手が蓄積してきた軍事力を徐々に消耗させることができると述べた。
また、イランの軍事ドクトリンにも変化が生じていると主張した。具体的な内容には言及しなかったものの、イランに対するある脅威が実行に移される前に排除する「先制的行動」を取ったと説明した。防御を中心とした従来の戦略から一歩踏み込んだ事例だと評価した。
今回のイラン軍の発言は、米国が空爆の成果を強調する中、自国のミサイル・ドローン戦力が想定以上に維持されていることをアピールする狙いがあるとみられる。同時に、生産能力や長期戦を遂行する能力も強調することで、さらなる衝突が発生した場合でも対応できるとのメッセージを米国とイスラエルに送ったものとみられる。

