「原油輸出の90%」イラン・ハルグ島爆撃のAI映像を投稿 トランプ氏、実際の攻撃証拠はなし

アメリカのドナルド・トランプ大統領が、イランの重要な原油輸出拠点であるハルグ島が爆撃を受け、破壊される様子を描いた人工知能(AI)生成映像をソーシャルメディアに投稿した。しかし、実際にハルグ島が攻撃を受けたことを示す証拠は確認されていない。
31日(現地時間)、アメリカ経済誌フォーブスによると、トランプ大統領は前日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「ハルグ島が粉々になっている」との文章を添え、ハルグ島への攻撃を描いたAI生成映像2本を投稿した。
最初の映像には、航空機の窓から空爆の様子を見守る空軍兵士の姿とともに、石油施設から炎や爆発が発生する場面が映し出されている。石油貯蔵タンクや停泊中のタンカー、周辺の建物が爆発に巻き込まれる様子も描かれている。
トランプ大統領は続いて、巨大な海岸沿いの石油施設にミサイルが降り注ぎ、爆発が起きる様子を描いた別のAI生成映像も投稿した。これらの映像がトランプ大統領側で直接制作されたものなのか、それとも支持者のアカウントから転載したものなのかは明らかになっていない。
トランプ大統領の投稿は、アメリカが今月に入って初めてイラン軍に対する大規模な攻撃を再開した直後に行われた。ただし、米軍が実際に攻撃したとされるのはハルグ島ではなく、ホルムズ海峡近くに位置するララク島だったと伝えられている。
アメリカ中央軍(CENTCOM)は、イラン革命防衛隊(IRGC)の機雷敷設部隊に対し、「限定的かつ精密な措置」を講じたと明らかにした。イラン国営メディアはララク島近くで爆発が発生したと報じており、IRGCも複数の死傷者が出たことを認めた。
ハルグ島はララク島からかなり離れた場所にある。フォーブスは、ハルグ島がホルムズ海峡から北西に400マイル(約640キロ)以上離れたペルシャ湾内に位置していると説明している。
ハルグ島はイランの原油輸出において重要な役割を担っている。フォーブスによると、イランの原油輸出の約90%が同島で取り扱われており、約2万人が暮らしている。その多くは石油産業に従事しており、島には3つの主要なエネルギー関連施設がある。
トランプ大統領は過去にも、ハルグ島を占領したり爆撃したりすると脅迫したことがある。しかし、これまでハルグ島を標的とした大規模な攻撃が実際に行われたとの報告はない。
一方、トランプ大統領はこれまでもソーシャルメディアを通じて、AIで制作した画像や映像を繰り返し投稿してきた。フォーブスは今回のハルグ島に関する映像についても、トランプ大統領が自身の成果を誇示したり、競争相手を攻撃したりするためにAIコンテンツを活用してきた事例の延長線上にあると指摘している。

