中国の外国人への出国制限、企業幹部・政府職員にも拡大 相手国への「圧力・交渉手段」に利用か
米中対立の長期化で法執行を強化

中国当局による出国禁止措置は、外国人にも頻繁に適用されている。中国で出国禁止の対象となる外国人は、刑事事件の被疑者にとどまらず、実業家や政府職員などにも広がっており、中国を行き来する人々の間で不安が広がっている。
8日(現地時間)、中国事情に詳しい関係者によると、中国当局は刑事捜査や民事紛争、国家安全保障に関する案件などを理由に、外国人の出国を制限している。
昨年7月、米国務省は、中国当局が米商務省傘下の米国特許商標庁(USPTO)に勤務する中国系米国人男性の出国を禁止したと発表した。この男性は家族に会うため中国を訪れていたが、出国を制限された。具体的な理由は明らかになっていないものの、当時の関係者は、国家安全保障に関係している可能性を指摘した。その後、男性が中国を出国したかどうかは公に確認されていない。
同じ頃、米金融大手ウェルズ・ファーゴの幹部、毛晨月氏も中国訪問後、出国を禁止された。国際貿易金融分野の専門家である毛氏は、昨年7月ごろに中国に入国し、約2か月間滞在した後、9月に米国へ戻った。この件を受け、ウェルズ・ファーゴは社員の中国出張を全面的に取りやめたとされる。
野村証券の中国投資銀行部門の責任者を務める王仲何氏も、2023年に中国当局から出国を禁止された。王氏は、中国投資銀行の華興資本控股(チャイナ・ルネサンス・ホールディングス)の包凡会長をめぐる当局の調査過程で、出国を制限されたとされる。王氏への出国制限は翌年解除され、その後、香港に戻ったと報じられた。
刑事事件とは無関係の民事上の債務紛争を理由に、韓国人駐在員が中国から出国できなくなるケースも相次いでいる。中国に駐在していたある韓国人は、債務紛争を抱える企業の法定代表者だったため、出国制限を受けたと関係者は話している。
特に、こうした民事上の出国制限は事前に十分な通知が行われないケースが多く、空港の出国審査で初めて制限を受けていることを知る場合もあるという。
中国当局は、出国制限について法執行や司法手続きの一環だと説明している。一方、外国企業や欧米の政府は、出国制限が圧力や交渉の手段として利用される可能性にも注目している。
特に、米中対立が長期化し、中国で国家安全保障や反スパイ関連の法執行が強化される中、中国で活動する外国企業や外国人従業員を取り巻く法律や規制上の不確実性も高まっているとの指摘がある。
