「戦争が終わっても元には戻らない」…イラン戦争が世界経済に残した3つの変化
ホルムズ海峡で影響力を強めたイラン…「戦後も維持の見通し」
ブラジル・米国など中東以外でも増産…原油供給過剰の可能性

米国とイランの戦争が長期化する中、世界経済の構造が変わりつつあるとの分析が出ている。
CNNは8日(現地時間)、米国とイランの戦争が世界経済にもたらした変化として、▲ホルムズ海峡に対するイランの影響力拡大 ▲中国の原油市場における影響力の高まり ▲中東以外の地域での原油生産拡大などを挙げた。
まず、イランは世界の原油の約20%が通過するホルムズ海峡で影響力を強めた。
イランは2月末、米国とイスラエルによる攻撃を受けた後、船舶の通航を制限し、1日当たり1,300万バレルの原油供給を遮断した。5月からは海峡を封鎖する代わりに、船舶の登録や指定航路の利用などを求め、通航を管理している。
戦争が終結した後も、イランの影響力は維持されると予想されている。JPモルガンは、イランがトルコと同様の通航料制度を導入した場合、国際原油価格が1バレル当たり約1ドル(約154円)以上上昇する可能性があると分析した。
中国の原油市場における影響力も高まった。中国は戦争前に備蓄していた原油を活用し、1日当たりの輸入量を約500万バレル減らした。原油需要を柔軟に調整することで、国際市場への影響力を示したとの評価だ。
電気自動車(EV)の普及も影響した。5月の労働節(メーデー)連休には、中国の高速道路におけるEVの充電量が前年同期比55.6%急増した。
CNNは、こうした変化が続けば、世界の原油需要はすでにピークを過ぎた可能性もあると分析した。
中東以外の産油国も急速に増産している。戦争が始まって以降、中東産原油の供給が不安定になったことを受け、ブラジル、ガイアナ、カナダ、ノルウェーなどは生産量を大幅に増やした。
JPモルガンによると、ブラジルの原油生産量は1日当たり80万バレル増加し、ガイアナは30万バレル、カナダは20万バレル、ノルウェーは15万バレル、それぞれ増産した。米国も前年同期に比べ、1日当たり90万バレル多く生産している。
CNNは、中東以外の地域で増産が続けば、長期的には原油の供給過剰につながり、原油価格や産油国の収益を押し下げる可能性があるとの見通しを示した。
