「日本だけを狙った輸出規制は国際慣行に反する」政府が中国に異例の抗議、半導体を巡る対立が激化
日本を狙ったデュアルユース品の輸出規制には「強く抗議し、撤回を要請」

政府は、中国が半導体原料である日本産ジクロロシランに反ダンピングの予備判定を下したことについて、国内企業に不当な影響が生じないよう対応していくと8日明らかにした。
NHKなどによると、政府の報道官を務める木原稔官房長官は同日の閣議後の記者会見で、「調査対象となった日本企業と緊密に連携し、当該調査の状況と影響を十分に検討したうえで、事業活動に不当な影響が生じないよう適切に対応していく」と強調した。
木原官房長官は、中国がレアアースなどのデュアルユース品(民生・軍事の両方に利用可能な品目)に対する日本向け輸出規制を強化するなど、経済的圧力を高めていることについて、「日本だけを対象とした輸出規制措置は国際的な慣行に反する」と非難した。
続けて「中国に強く抗議し、撤回を求めている」と明らかにした。
さらに「主要7カ国(G7)をはじめ、同志国との協力を強化し、日本企業とも緊密に連携しながら、適切に対応していく」と述べた。
これに先立ち、中国商務省は7日、日本産ジクロロシランに対する反ダンピング調査の予備判定結果を発表した。
中国商務省は「日本を原産地とする調査対象の輸入製品にダンピングが存在し、中国国内のジクロロシラン産業が実質的な被害を受けており、ダンピングと実質的被害の間に因果関係があると暫定的に判断した」とし、「調査機関は保証金方式による暫定的な反ダンピング措置を実施することを決定した」と明らかにした。
ジクロロシランは主に半導体製造工程で使用される原料で、シラン化合物やシリコンポリマーなどの製造にも利用される。
今回の措置により、8日から対象製品を輸入する事業者は、企業ごとに定められた比率に基づき、中国の税関当局に保証金を納付しなければならない。保証金の比率は企業ごとに80.8~99.2%が適用される。
中国商務省は今年1月7日、中国企業からの調査申請を受け、日本産ジクロロシランに対する反ダンピング調査を実施すると発表していた。
昨年の高市首相による「台湾有事の際に日本が介入する可能性」を巡る発言以降、悪化した日中関係の中で行われたことから、今回の調査との関連性も指摘された。

