ゼレンスキー大統領、汚職対策機関を批判した検事総長の速やかな解任を議会に要請
クラウチェンコ検事総長、辞表提出後にNABU局長への捜査を通告し対抗姿勢

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は14日、議会に対し、同国のルスラン・クラウチェンコ検事総長を速やかに解任するよう求めた。
一連の贈収賄捜査が進む中、政府内の緊張が高まっている。
クラウチェンコ検事総長は先週、辞表を提出した。ある汚職捜査で検事総局の関与疑惑が浮上した後のことで、辞表提出に際して「良心に基づく政治的決断だ」と強調した。
この捜査では、検事総長の部下らが詐欺行為を行っていたことが明らかになった。ただ、クラウチェンコ検事総長自身は容疑者として名指しされたり、起訴されたりしていない。
ウクライナでは以前から政府内の汚職が深刻な問題として指摘されており、ロシアによる侵攻が続く中、汚職を巡る疑惑はさらに深まっている面もある。こうした問題を受け、最近ではゼレンスキー大統領の支持率も大きく低下している。
これに先立ち同日、クラウチェンコ検事総長は、議会から正式な解任通知をまだ受けていない段階で、検事総局を巡る汚職捜査を行った機関の一つである国家汚職対策局(NABU)のセメン・クリヴォノス局長を捜査すると正式に通告したと明らかにした。
クラウチェンコ検事総長はまた、クリヴォノス局長が2008年にさかのぼる汚職関連の不正行為について責任を逃れるため、詐欺的な手法を使ったとテレグラムへの動画投稿で主張した。
クラウチェンコ検事総長は、自身の解任が議論されるさなか、国外に出ると発表したことでも批判を受けた。これに対し、テレグラムで、国際的なパートナーと会談し、ウクライナの汚職対策機関が持つ「けん制を受けない影響力」への懸念を伝える予定だったと説明した。
NABUと、クラウチェンコ検事総長の辞表提出につながった事件を共同で捜査してきた特別汚職対策検察(SAPO)は同日、共同声明を発表し、クラウチェンコ検事総長による一連の主張について、独立した汚職対策機関に対する組織的な攻撃の継続だとの見方を示した。
昨夏、NABUとSAPOを検事総局の傘下に置こうとする積極的な動きがあったことも、こうした攻撃の一つだとした。
共同声明はまた、NABUのクリヴォノス局長が、自身が捜査対象となっているとの通知を一切受けていないと指摘した。
その上で、「最近辞任した検事総長の発言は公にされているものの、法的効力はない」と付け加えた。
こうした状況を受け、ゼレンスキー大統領は同日、議会に正式な要請書を提出した。
ゼレンスキー大統領はテレグラムに「この検事総長に残された道はただ一つ、『公職から解任されること』だ。それが私が彼にはっきり伝えたことだ」と投稿した。
さらに、「ウクライナはその理由をすべて十分に承知している。もし彼がこれを政治的圧力と呼びたいのであれば、そう言う自由はある。私は議員らに、この解任を速やかに支持するよう求める」と述べた。
