「200人超が参加」G20でブルームバーグ・WSJ・NYTを取材拒否 米政権で何が起きている
トランプ政権、メディア取材制限を拡大
米財務省、複数メディアの取材登録申請を拒否
ベッセント長官「メディアの視点とは無関係」

アメリカのドナルド・トランプ政権が主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を主催する中、ブルームバーグやウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など自国メディアの取材を拒否した。アメリカ政府が国際イベントで複数のメディアの取材を制限したのは初めてだ。
30日(現地時間)のブルームバーグによると、米財務省はノースカロライナ州アシュビルで開催されるG20会議を巡り、ブルームバーグの取材登録申請を複数回拒否した。財務省はブルームバーグ、WSJに続き、ニューヨーク・タイムズ(NYT)記者の登録も拒否した。ただ、ドイツ財務省がラース・クリングバイル財務相に同行するNYT記者1人の登録を米財務省に要請し、認められたという。
G20会議は31日から翌月2日までの3日間開催される。アメリカは今年のG20議長国を務めており、今回の会議におけるメディアの出入りや取材登録は米財務省が管理している。財務省は事前に、数十カ国から200人以上の記者が参加すると見込んでいると発表した。
スコット・ベッセント財務長官はこの日、AP通信とのインタビューで「メディアの視点と取材登録の拒否には何の関係もない」と述べた。
トランプ政権は、大統領が昨年2期目を開始して以来、公の場でのメディア取材を制限してきた。大統領取材団の構成を変更したほか、国防総省は主要メディアが国防総省(ペンタゴン)内にオフィスを維持できないようにした。今回、こうした取材制限が国際会議にまで及んだ形だ。
ブルームバーグ側は「G20財務相・中央銀行総裁会議への出入りを拒否することは、報道の自由と公的責任を損なう」とし、「会議の進行を公正かつ正確に報道するとともに、取材アクセスを引き続き求める」と表明した。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)のニコール・テイラー広報担当者は今回の決定について、「独立したメディアを弱体化させ、公的な監視を回避しようとする政権の憂慮すべき試みであり、厚かましい行為だ」と批判した。
このような国際イベントで主要メディアを取材から排除することは、過去にG20会議を開催したロシアや中国を含めても、前例がほとんどない。類似した事例としては、2009年にオバマ政権が、当時米財務省の「報酬担当官」を務めていたケネス・ファインバーグ氏へのインタビューからFOXニュースを排除しようとしたケースがある。当時、インタビューを主催したホワイトハウスは、他の放送局がボイコットを警告したことを受け、この方針を撤回した。
一方、市場では、ベッセント長官が為替や債券市場の安定化に向けて介入した後、その発言が注目されている。アメリカの長期国債利回りは今月、ここ数年で最高水準を記録した。インフレ懸念が再燃したことに加え、今月40兆ドル(約6,398兆1,400億円)を超えた政府債務も市場に影響を及ぼしているためだ。
また、ベッセント長官は、トランプ大統領が始めた戦争を終結させるため、イランを交渉の場に引き出そうとする経済的圧力策をどのように進めているのかという点でも注目を集めている。
こうした状況を背景に、ベッセント長官が自分に好意的なメディアだけを相手にするつもりなのではないかとの見方も出ている。

