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2026年8月21日(金) 東京 --

H3ロケット9号機、打ち上げ成功 「みちびき」投入、商業衛星市場の再開へ

2025年12月の失敗乗り越え所定軌道へ

スペースX独走の中、海外受注拡大が課題

引用:ニュ-シス
引用:ニュ-シス

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、大型基幹ロケット「H3」の打ち上げに成功した。2025年末の打ち上げ失敗を受けて信頼回復を進める中、独自の衛星測位システムの構築と世界の衛星打ち上げ市場への本格参入に向け、再び動きが加速した。

JAXAは11日午前4時23分ごろ、鹿児島県の種子島宇宙センターからH3ロケット9号機を打ち上げた。ロケットには、「日本版GPS」とも呼ばれる準天頂衛星システム「みちびき」の衛星が搭載された。打ち上げから約30分後、みちびきはロケットから正常に分離され、所定の軌道へ投入された。

今回の打ち上げは当初、2026年2月に予定されていたが、2025年12月のH3打ち上げ失敗を受け、原因究明と再発防止策の実施のため、延期された。大型人工衛星を搭載したH3の打ち上げは8か月ぶりとなる。

みちびきは内閣府が運用し、三菱電機が開発した測位衛星だ。既存のGPSによる位置情報を補完することで、約10メートルの測位誤差を数十センチメートルまで縮めることができる。政府は自動運転車や無人農機などの先端産業に活用し、産業競争力の向上につなげる方針だ。

現在、みちびきは準天頂軌道3機と静止軌道2機の計5機が運用されている。政府はGPSを補完し、24時間にわたって高精度な位置情報を提供できる7機体制の構築を目指している。ただ、2025年12月のH3打ち上げ失敗で衛星を所定の軌道へ投入できず、計画に遅れが生じた。追加衛星は2031年度と2032年度に、それぞれ2機ずつ打ち上げる予定としている。

H3はJAXAと三菱重工業が2014年から共同開発してきた、次世代の大型基幹ロケットである。1号機の打ち上げには失敗したものの、その後は5回連続で成功し、2025年12月に再び失敗した。JAXAは失敗原因を究明して設計を改良し、2026年6月に続いて今回も打ち上げに成功した。

今回の成功により、H3の打ち上げ成功率は78%に上昇した。一方、国際的な商業打ち上げ市場で高い信頼性の目安とされる95%前後とは、依然として差が残る。

世界のロケット市場では、米国のスペースXが圧倒的な優位に立っている。主力の再使用型ロケット「ファルコン9」は年間100回以上打ち上げられており、次世代大型ロケット「スターシップ」の開発も進んでいる。スターシップはファルコン9の約4倍の輸送能力を備え、輸送能力当たりのコストも大幅に引き下げられると見込まれる。

H3は今後、打ち上げコストを抑えながら信頼性を高め、海外からの人工衛星打ち上げ受注を拡大することが課題となる。今回、大型衛星の軌道投入に成功したことで、2025年10月以降、事実上中断していた商業衛星の打ち上げ事業も再び本格化する見通しだ。

今回の打ち上げには、メインエンジン2基と固体ロケットブースター2本を装着した「22形態」の機体が使われた。2025年12月に失敗した際と同じ形態だが、当時問題とされた支持部の接続箇所について、前身のH-IIAロケットと同じボルト締結方式へ変更した。

JAXAは2026年度、火星衛星探査計画「MMX」の探査機と、国際宇宙ステーション(ISS)向けの新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」2号機の打ち上げも準備している。今後、H3が安定して打ち上げ成功を重ねられるかどうかが、独自の宇宙輸送能力と世界の打ち上げ市場における競争力の回復を左右することになりそうだ。

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