東南アジア、中国寄り鮮明に タイ・ベトナム・ミャンマーが台湾統一支持

東南アジア諸国が台湾問題をめぐり、中国寄りの立場を相次いで示しており、注目を集めている。タイが中国との首脳会談の共同声明に7年ぶりに「台湾の平和的統一を支持する」との文言を盛り込んだのに続き、ベトナムとミャンマーも中国の統一に向けた取り組みを支持する姿勢を明らかにしたためだ。
米中両国の間でバランス外交を展開してきた東南アジア諸国の対中姿勢に、変化が生じているとの見方が出ている。
10日付の日本経済新聞によると、タイのアヌティン・チャーンウィラクン首相は先月、中国の習近平国家主席との首脳会談後に発表した共同声明で、中国の平和的統一を「断固支持する」と表明した。声明には、「一つの中国」政策と香港の「一国二制度」を支持するとともに、台湾独立を目指す動きに反対することも盛り込まれた。
タイ外務省は、従来の立場に変化はないと説明している。一方、現地の専門家は、バランスを重視してきたタイ外交が中国寄りの姿勢をさらに強めたと評価している。
ベトナムのトー・ラム共産党書記長兼国家主席も、4月の訪中後に発表した共同声明で、「中国の国家統一を支持する」と表明した。ミャンマーも6月の首脳会談後、中国政府による国家統一の取り組みを「断固支持する」と表明した。また、カンボジアも中国の国家統一に向けた取り組みを支持し、あらゆる形態の台湾独立に反対する立場を維持している。
中国は、2027年の共産党大会を前に習主席の4期目に向けた基盤を固めるとともに、台湾問題を巡る外交的な支持の確保に乗り出したとみられる。台湾への武力行使による統一が国際社会の反発や対中制裁につながる可能性を踏まえ、東南アジア諸国を友好国として取り込もうとする戦略だ。
米国への国際的な信頼が以前より低下したとの見方が広がっていることも、中国にとって追い風になっていると日本経済新聞は分析している。
一方、来年度の台湾の国防予算が初めて1兆台湾ドル(約4兆9,400億円)を超える見通しだと、ロイター通信などが報じた。台湾行政院は来年度の国防予算を今年度比16%増の1兆1,000億台湾ドル(約5兆4,300億円)とし、20日に公表する予定だ。
今回の予算には、従来の軍事費だけでなく、台湾海巡署(海上保安庁に相当)や退役軍人に関する費用、一部の特別事業に関連する支出も含まれる見通しだ。増額により、台湾の国防予算は国内総生産(GDP)の3%を超えるとみられている。

