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2026年9月12日(土) 東京 --

「まず疑うしかない」…AI政治広告が悩みの種に、米中間選挙

相手候補をAIで再現した合成広告が相次ぐ実際の発言さえ「捏造」と言い逃れできる可能性有権者の疲労感・不信・冷笑主義を助長

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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人工知能(AI)技術で制作された選挙広告がテレビやSNSにあふれる中、米国の有権者は自分の目や耳さえ疑わなければならない状況に直面している。

9日(現地時間)、アクシオスは、最近の米政界ではAIを活用して対立候補の容姿や声をそっくり再現した合成広告が相次いで登場し、物議を醸していると報じた。

テキサス州の共和党上院議員候補ケン・パクストンは、対立する民主党候補ジェームズ・タラリコ氏を標的にした選挙広告に、AIで生成したタラリコ候補を登場させた。広告では、AIで再現されたタラリコ候補が、本人が実際に語った生物学的性別や宗教に関する発言を文脈を無視してつなぎ合わせ、一部の文言を変えて伝えていた。

専門家は、こうしたAIを使った選挙戦が、ここ数年低下を続けている公的機関や政治家への信頼をさらに損なう可能性があると警告している。スタンフォード大学ロースクールのAIイニシアチブで共同ディレクターを務めるネイト・パーシリー氏は「人工的に作られたメディアに多く接するほど、真偽を見分ける能力が低下するだけでなく、何が真実なのかを気にすることさえなくなる可能性がある」と指摘した。

AI広告の本当の危険性は、単に人々がディープフェイクにだまされることだけではない。「うそつきの配当(Liar’s Dividend)」と呼ばれる効果こそが本当の問題だ。実際のニュースや本物の発言映像さえ「AIで捏造されたディープフェイクだ」と主張し、言い逃れする口実を悪意ある政治家に与えるからだ。

カリフォルニア大学アーバイン校の認識論研究者、ケイリン・オコナー氏は「公人が否定的な言動をするAI映像を見た人は、それが偽物だと認識していても、その人物に対する感情的な悪印象が残る」と指摘した。

有権者の疲労感や冷笑主義が強まる可能性もある。コーネル大学テック政策研究所のサラ・クレプス所長は、絶えず警戒し、疑い続けることで有権者が疲弊し、最終的には、真実だと証明されるまですべてのコンテンツを偽物とみなす冷笑的な態度につながると強調した。

政界全体と一般市民の間では、こうしたAIを利用したコンテンツへの反発と、真正性を求める声が共存している。しかし、米連邦政府レベルでは規制法が事実上存在しない。一部の州では、偽ニュースの性格を持つディープフェイク広告に表示を義務付けたり、風刺的なコンテンツを規制の対象外としたりするなど、暫定的な規制を導入しているものの、明確な基準がなく、現場の混乱は続いている。

透明性のある基準と一貫したルールが整備されなければ、有権者は共通の事実認識さえ失い、政治に対する深刻な不信と分断の泥沼に陥りかねないとの指摘が米国で出ている。

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