「脅しはもう効かない!」イランさえ見透かすトランプ氏の手法…強硬策の効果に陰り

ドナルド・トランプ米大統領は、イランへの大規模な軍事攻撃を予告したわずか1日後、外交交渉へと方針を転換した。軍事的圧力を最大限に高めた後、土壇場で交渉に切り替える対応を繰り返す中、かつて相手を揺さぶったトランプ氏の「予測不可能性」も、今では予測可能な行動パターンになったとの見方が出ている。
AP通信は3日(現地時間)、トランプ大統領がイランとの戦争で強力な軍事行動を警告しながら、直前になって見送る場面を繰り返しており、今回も同じ展開になったと報じた。
トランプ大統領は今月1日の閣議で、イランとの交渉について「期待を失いつつある」と述べ、米軍がイランを「極めて強力に攻撃する」と警告した。ホワイトハウスも「イランが交渉に応じなければ代償を払うことになる」との強硬なメッセージを相次いで発表した。
ところが、そのわずか1日後、トランプ大統領はサウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、イラン側の働きかけを受け、大規模空爆の計画を見送ったと明らかにした。また、米国とイランが3日午後に交渉を開始する予定だと公表した。
AP通信は、こうした手法がトランプ大統領が不動産実業家だった頃から用いてきた交渉戦略に似ていると分析した。相手を極限まで追い込んで圧力を強めた後、土壇場で外交的な解決の余地を残し、交渉力を最大化しようとする戦略だ。
こうした対応は今回が初めてではない。トランプ大統領は4月にも大規模攻撃を予告したものの、期限直前に停戦に合意した。5月には「重大な軍事攻撃を準備した」と圧力をかけたが、交渉の進展を理由に撤回した。6月にも「極めて強力に攻撃する」と警告した後、交渉が進展したとして計画を取りやめた。
同じ展開が繰り返されたことで、トランプ大統領の交渉手法は、今や国際社会でも広く認識されるパターンになったとの見方が出ている。AP通信は「こうした戦略は時間がたつにつれて効果を失っている」と分析した。
イランは米国よりも大きな戦略的負担に耐えられるとみて、持久戦の構えを見せている。一方、米国も戦闘が長期化するほど兵器の消耗が進むほか、中間選挙を前に政治的負担が増しているという。AP通信の世論調査では、米国人の約3分の2がイランとの戦争について「戦う価値のある戦争ではない」と回答した。共和党支持層でも3分の1以上が否定的な見方を示した。
民主党のマーク・ケリー上院議員は「トランプ大統領は、状況を戦争前に戻せるリセットボタンがあるなら、それを押したいと思っているだろう」と批判した。共和党のジョン・ケネディ上院議員も「さらなる戦闘拡大は原油価格とインフレを押し上げる可能性がある」と指摘し、「現段階では制裁と核開発計画への圧力を維持することが望ましい」と述べた。
トランプ大統領が再び軍事的な選択をする可能性は排除できない。ただ、「最大限の圧力をかけた後に交渉する」という「トランプ流の交渉手法」が繰り返されるほど、イラン側もその手法を学び、交渉の効果が弱まる可能性がある。この点が新たな変数として浮上しているとの指摘が出ている。

