「8日からガソリン値上げ」イランが戦時体制を強化 ホルムズ海峡は「完全封鎖」
「完全封鎖」…ペルシア湾全域が前線化
内部の反発を覚悟の上での体制転換の試み
トランプ大統領は海峡に「米国の新たな領土」と表示

米国による全方位的な軍事・経済圧力に直面するイラン政府が、ホルムズ海峡の外側に新たな軍事統制区域を設定する方針を示し、国内のガソリン価格の引き上げを電撃的に実施するなど「瀬戸際での対応」に乗り出した。世界の原油輸送量の20%を占める航路の再封鎖をちらつかせると同時に、国内の反発を顧みず、戦時の総力体制への移行を図る動きとみられる。
イラン最高国家安全保障会議(SNSC)のモフセン・レザイ事務総長は6日(現地時間)、国営IRIBテレビに出演し、米海軍の封鎖線からペルシア湾までを含む新たな「統制区域」を数日以内に正式発表すると明らかにした。従来の海峡を越えて、オマーン湾の外側と湾岸全域を事実上の軍事戦線とする布石だ。レザイ事務総長は「事前の協議なしに進入するすべての船舶を独自の制裁対象リストに加え、報復する」と警告した。さらに、「ホルムズ海峡が開いているというドナルド・トランプの主張は真っ赤なうそであり、現在、海峡は完全に封鎖されている」とも主張した。
停戦交渉の団長を務めるモハマド・バゲル・ガリバフ国会議長も「X(旧Twitter)」を通じて、「比例的対応の時代は終わった」とし、イランの安全保障を侵害する米国の行動に対して「より速く、より重く、より痛烈な」報復を行うと警告した。これは、「艦船2隻を攻撃された場合、3隻で報復する」とした前日の米軍の警告を狙い撃ちしたものとみられる。ガリバフ議長は、為替レートの急騰やインフレなど経済難が深刻化する中でも、「国内生産に頼って外圧を防がなければならない」と強調した。
指導部によるこうした強硬策と自力更生の要求は、制裁が長期化する中で国内の結束を固めるための布石とみられる。イラン政府のファテメ・モハジェラニ報道官は、8日からガソリンの月間110リットルを超える分について、引き上げられた価格を適用すると発表した。一部では、2019年のガソリン価格引き上げ措置が大規模な反政府デモを引き起こした前例があるだけに、ただでさえ高まっている国民の反発を再び招く可能性があるとの懸念も出ている。
こうした中、トランプ大統領はホルムズ海峡を米国領土だと主張する投稿を行い、イランを刺激した。トランプ大統領は自身のSNS「トゥルースソーシャル」に、米軍戦闘機がイランのハールク島にある石油施設を爆撃するAI生成画像とともに、ホルムズ海峡を「米国の新たな領土」と表示した地図を投稿した。
