「総裁選の準備をさせない?」高市首相、ライバル3人を要職にとどめる狙い
閣僚・党幹部にとどめ、動きをけん制 再挑戦を狙う林氏、処遇が焦点

高市早苗首相は、来年秋の自民党総裁選での再選を見据え、将来的に総裁選で争う可能性のある人物を「要職」にとどめている。昨年の総裁選で争った候補らを閣僚や党幹部として起用し続けることで、独自に次期総裁選への準備を進める動きをけん制する狙いがあるとみられる。
8日付の読売新聞によると、高市首相は16日に予定されている内閣改造と自民党の役員人事で、小林鷹之政調会長を引き続き重用する方針を固めた。小泉進次郎防衛相と茂木敏充外相についても、留任させる方針だという。
この3人はいずれも、昨年の総裁選で高市首相と争った候補だ。高市首相は総裁選で勝利した後、3人を主要閣僚や党の要職に起用し、党内融和を図る姿勢を示した。だが、来年の総裁選が視野に入る中、こうした「重用」は、総裁選で争う可能性のある人物の動きをけん制する手段としても機能しているとの見方が出ている。
なかでも小林氏が務める政調会長は、党の政策立案を担う重要ポストだ。党執行部にとどまる限り、現職総裁の高市首相に対抗して総裁選への出馬準備を進めるのは難しい。読売新聞は「小林氏は保守色が強く、高市首相の有力な対抗馬になる可能性がある」としたうえで、「今回の留任には、直接的な対決構図を避ける狙いがある」と分析している。
小泉防衛相と茂木外相の留任には、政策の継続性を確保する狙いもある。小泉氏は年末に予定される「安全保障3文書」の改定作業を担っており、茂木氏は豊富な外交経験を生かし、現政権の外交政策を引き継ぐ適任者とみられている。
今回の人事で最大の焦点となるのが、林芳正総務相の処遇だ。林氏は昨年10月の就任以来、約20の都道府県を訪れ、地域の国会議員や地方議員との接触を重ねてきた。昨年の総裁選で伸び悩んだ地方党員票を意識した「地域固め」との見方もある。
高市首相にとって、林氏を閣内に残すのも外すのも難しい判断となる。留任させれば、総裁選で争う可能性のある人物を閣内にとどめておける一方、交代させれば閣僚としての制約から解放され、総裁選に向けた準備を本格化させる余地を与えることになる。林氏の周辺では、次期総裁選への再挑戦を促す声が上がっているという。
