「皇居ラン」の迷惑ランナーに国内で批判相次ぐ
狭い歩道を複数人で並走し、歩行者の通行を妨害
住民らから不満が相次ぐ
一部では「ランニングを全面禁止すべき」との声も

1日午後2時、東京・皇居前。幅3メートルほどの狭い歩道で、ランニングウェア姿の男性が、写真を撮っていた観光客に「すみません、通ります!」と声を掛けながら、すれすれのところを走り抜けた。昼休みを過ぎた日中にもかかわらず、汗を流して走る人の姿が目立った。速いペースで走るランナーが、向かってきた自転車と衝突しかける危険な場面もあった。
高層ビル群と豊かな自然が調和し、都内を代表する名所として知られる皇居周辺で、いわゆる「皇居ラン」を楽しむ一部ランナーの迷惑行為が問題となっている。皇居外周は1周約5キロで高低差が少なく、トイレなどの公共施設も各所にあることから、都心の「ランニングの聖地」と呼ばれている。しかし最近は、一部のランナーが狭い歩道で歩行者を強引に追い抜いたり、複数人で横に並んで走って通行を妨げたりするケースが増え、批判が高まっている。本来はランニング専用ではない一般の歩道を、観光客に交じって昼夜を問わず走る人々に対し、近隣で働く人や住民の不満や疲労感は限界に達している。
皇居ランは、東京マラソンの第1回大会が開催された2007年ごろから愛好家の間で口コミによって広がり、都内を代表するランニングコースとして定着した。さらに、市民に無料開放されていた代々木公園内の陸上競技場「織田フィールド」が7月から改修工事で閉鎖されたこともあり、ランナーが皇居周辺に大勢流れ込んだ。皇居周辺には、ロッカーやウェア・シューズのレンタル、シャワー設備などを備えた「ランニングステーション」も集まり、関連する商圏が形成されている。皇居外周を走る人は、1日最大1万人に上ると推計されている。
SNS上では、「歩行者優先のはずの歩道で、ランナーが我が物顔になっている」「なぜわざわざ人の多い狭い道で走るのか分からない」といった声が相次いでいる。歩道の各所には「歩行者優先」「反時計回りで走る」「無理な追い越しは禁止」などの安全ルールを記した注意看板が設置されているが、混雑する時間帯にはほとんど効果がない状態が長く続いているとの指摘も出ている。
一部では、皇居周辺でのランニングを全面的に禁止すべきだとの主張まで出ている。しかし、地元自治体は規制よりも、マナーの順守を促す対策に重点を置いている。皇居がある千代田区の担当者は先月29日、メディアの取材に対し、「一部のランナーが危険な走り方をし、歩行者と衝突するなどの問題が起きていることは認識している」と述べた。その上で、「東京都などと連携し、マナー啓発や歩行環境の改善に継続して取り組んでいく」と説明した。
