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2026年8月21日(金) 東京 --

「隠したいのは防空網か、敗北の証拠か」…ロシア版アマゾンが“カメラ付き携帯”を禁止

引用:テレグラム
引用:テレグラム

ウクライナ軍のドローン攻撃で集中的に狙われているロシア最大のオンラインマーケットプレイス「ワイルドベリーズ」が、物流倉庫で働く従業員に対し、カメラ付き携帯電話の持ち込みを禁止した。ドローン攻撃を受けた現場の撮影を防ぐための措置だ。

会社側は、防空網の位置が特定されることを防ぐためだと説明している。一方で、ロシア側の防衛失敗や企業の被害規模を隠すための従来の措置と変わらないとの見方も出ている。

ワイルドベリーズ、物流倉庫へのカメラ付き携帯電話の持ち込みを禁止

ウクライナ国営通信ウクルインフォルムは3日(現地時間)、ロシアのテレグラム系メディアが入手した社内通知を引用し、ワイルドベリーズが物流倉庫の従業員を対象に、カメラ付き携帯電話の持ち込みを禁止したと報じた。

通知には、「スマートフォンの倉庫内への持ち込みを許可して以降、ドローンを撮影した映像が拡散した事例があった」と記されていた。

また、ドローン攻撃やその被害を撮影する行為は、従業員の安全を脅かし、ロシアの防空網の位置を明らかにする恐れがあると指摘した。

さらに、写真や動画の撮影・拡散は行政上の責任を問われるだけでなく、場合によっては刑事責任につながる可能性があると警告した。

この通知は先月31日、物流センターで勤務する従業員に伝えられた。ただし、カメラ機能のない一般的な携帯電話は持ち込み可能だと会社側は説明している。

引用:テレグラム
引用:テレグラム

「18日間で物流倉庫15カ所が炎上、出店者の被害だけで35億ドル」

ウクライナ軍は、ワイルドベリーズの物流倉庫を標的として、半月以上にわたり波状攻撃を続けている。

ウクライナ軍無人システム軍(USF)のロベルト・ブロウディ司令官は4日、「18日間でワイルドベリーズの物流倉庫15カ所を攻撃し、このうち13カ所で火災が発生した」と明らかにした。

ロシアの調査報道メディア「アゲンツトボ」は、先月31日時点で、ワイルドベリーズが保有する1万5,000平方メートル以上の大型倉庫26カ所のうち10カ所が被害を受けたと分析した。

被害を受けた面積は100万平方メートルを超え、大型倉庫の総処理能力の38%に相当するという。未遂に終わった攻撃まで含めると、全体の60%が標的になったとされる。

ロシア版フォーブスは、ワイルドベリーズに出店する販売業者の被害額を約35億ドル(約5,524億8,900万円)と推定し、数十万の事業者が影響を受けたと伝えた。

ワイルドベリーズは、高麗人出身の実業家タチアナ・キム氏が2004年に創業したロシア最大のオンライン流通企業で、ロシア全土に20カ所以上の物流センターを保有している。

「ロシア版アマゾン」とも呼ばれ、ロシアのオンライン小売市場で約50%のシェアを占める。月間利用者数は約8,100万人に達する。2025年のロシア国内における流通取引総額は、前年比49%増の6兆1,000億ルーブル(約11兆8,200億円)を記録した。

ウクライナ側は、軍用装備の供給に利用されていた施設を攻撃したとの立場を示している。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍がロシアのドローン生産に必要な部品や、航法装置の供給に利用されていた物流施設を攻撃したと明らかにした。

ワイルドベリーズの施設が民間商品だけでなく、ロシア軍のドローン生産に必要な軍民両用部品の保管・配送拠点として使われ、ロシア軍を支える補助的な兵站網の役割を果たしていたとの主張だ。

また、正式な軍需調達ルートを通さずに装備を確保するロシア軍兵士や、親軍的な募金団体がオンライン市場を利用しているとも説明した。

ゼレンスキー大統領は、こうした攻撃を「長距離制裁」と表現した。

ウクライナ政府の高官は、ウクライナ最大の宅配会社ノバ・ポシュタのターミナルをロシア軍が攻撃したことへの報復だとも説明している。

一方、ロシア側は、ウクライナ軍による物流倉庫への攻撃を「テロ攻撃」と規定している。

引用:テレグラム
引用:テレグラム

重要インフラへの攻撃映像を禁止、「後方の失敗を隠すため」との指摘も

ワイルドベリーズの物流倉庫が攻撃されるたびに、爆発の瞬間や火災の様子を捉えた写真や動画が急速に拡散した。

エレクトロスタリの倉庫から赤い炎と黒煙が噴き上がる映像をはじめ、クラスノダールの物流センターから巨大な火柱が立ち上り、都市の上空を覆う様子は「火の地獄」を連想させた。

ロシアが重要インフラへの攻撃場面の撮影や公開、報道を制限したのは今回が初めてではない。

モスクワ当局は今年5月、ドローン攻撃を含む「テロ攻撃」の写真や映像について、国防省や市政府の公式サイトに掲載されるまでは、報道機関や個人、緊急救助機関による公開を禁じた。

しかし、その実効性を疑問視する声は絶えなかった。

今年6月、モスクワ南東部カポトニャ地区にある製油所の巨大な燃料貯蔵タンクが爆発し、上空へ吹き飛ぶ映像が世界中に拡散したが、ロシアの多くのメディアはこの事実を報じなかった。

18日(現地時間)、ロシアの首都モスクワを狙ったウクライナ軍の大規模なドローン攻撃により、国営エネルギー企業ガスプロム・ネフチが運営するカポトニャ製油所の燃料貯蔵施設が爆発した。

当時の映像には、製油施設付近を飛行するドローンや、低空を飛ぶ飛翔体が現れた後、貯蔵施設付近で爆発が起きる様子が収められていた。

引用:テレグラム
引用:テレグラム

製油施設や物流倉庫などの重要インフラへの攻撃場面の撮影・拡散を禁じる理由は、防空網の位置が特定される恐れだけではないとの見方もある。

ロシア後方にある製油・物流関連の重要インフラへの攻撃は、ゼレンスキー大統領が宣言した「40日作戦」の一環とされる。

軍事施設や軍需施設、エネルギー施設を攻撃してロシアの戦争遂行能力を低下させる一方、ロシア国民に戦争の代償を実感させ、クレムリンに終戦への圧力をかける狙いがある。

ロシアの議員らは、攻撃現場の映像が敵側の分析や次の攻撃準備に利用されるため、共有されるべきではないと主張している。

しかし、ロシアの独立系メディアであるカフカスキー・ウゼルは、こうした措置を「後方での失敗を隠そうとする試み」だと評価した。

結局、重要インフラへの攻撃を捉えた写真や映像の拡散を制限する本当の目的は、ロシア側の被害規模を小さく見せることにあるとの指摘だ。

16日(現地時間)夜、ウクライナ軍の長距離ドローンがロシア首都圏の主要製油施設を攻撃した。

モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長は、「ウクライナ軍が一晩でモスクワへ向けてドローン60機を発射した」と明らかにした。

大規模な攻撃に参加したドローンのうち、少なくとも1機がモスクワ中心部から南東へ約15キロ離れた製油施設に到達した。

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