「軍への私の支配は絶対だ」…イスラエル軍トップが公然と“反乱”、政権中枢に走った亀裂

イスラエルの国防相と国防軍(IDF)指導部が公然と対立した。
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相が、極右的な傾向を持つ入植者への対応を巡る命令違反を理由に高官の交代を発表したところ、IDFのエヤル・ザミール参謀総長が直接介入したためだ。
イスラエル紙のタイムズ・オブ・イスラエルなどによると、カッツ国防相は2日(現地時間)、チャンネル14のインタビューで、アビ・ブルート中央軍管区司令官を批判し、後任として国防省のダド・バル・カリファ人事局長を任命すると明らかにした。
中央軍管区司令官は、ヨルダン川西岸地区での作戦を統括する立場にあり、同地区でパレスチナ人住民への性的暴行の疑いが持たれている入植者への対応を巡って問題が浮上したとされる。
これに先立ち、イスラエルの裁判所は、極右的な入植者タル・イノン・ダルディク氏に対する接近禁止命令を出したが、手続き上の不備を理由に取り消した。カッツ氏は軍に対し、裁判所の決定に従うよう指示していたという。
しかし、ブルート司令官は裁判所に対し、接近禁止命令を再び出すよう求めた。カッツ氏はこれを自身の指示に反する行為とみなし、「彼らは私の指示に反して誤った措置を取った」と批判した。また、「西岸地区司令官は必ず私の指示を考慮しなければならない。軍に対する私の統制は絶対的だ」と主張した。
これに対し、IDF指導部は直ちに反論した。IDFは「国防相の発表は参謀総長と一切協議されていない」としたうえで、「参謀総長は主要な指揮官を交代させる計画はない」と明らかにした。さらに、「ブルート司令官は専門性、勇気、献身をもって軍を指揮しており、参謀総長から全面的な信頼を得ている」と述べ、同司令官を擁護した。
野党は、カッツ氏が10月27日の総選挙で比例代表の上位候補となることを狙い、極右的な行動を取っているとして強く批判した。カッツ氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が率いる右派政党リクード所属の国会議員だ。
ネタニヤフ首相の政敵で、元IDF参謀総長のガディ・アイゼンコット国民統一党首は、「政治と軍の関係は、かつてないほど悪化している」とし、「国家は私物ではなく、IDFは迷走する政治家が党内選挙のために利用する道具ではない」と述べた。
一方、カッツ氏側は、ザミール参謀総長がすでに4月、ブルート司令官の後任としてカリファ局長を推薦していたと反論している。
国防相室は「カッツ氏は、参謀総長からカリファ局長との面談を求められ、6月に会談した後、適任者だと判断した。今回の発表は、参謀総長の推薦を受け入れたものにすぎない」と説明した。

